バズーヒストリー Episode3 事業体制の最適化と原点回帰

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前段に続き、当社では事業拡大を求めた結果、
大手クライアントのプロジェクトの顧客対応に追われる毎日が続く。

朝の役員会議にて、耳を疑う報告を受ける。
『某プロジェクトがどう頑張っても絶対に終わらない』
このプロジェクトは当社史上今でも最大案件と言っても良い大きなプロジェクト。
モバイル業界の規模感でもかなり大きなプロジェクトの遅延報告であった。
失敗した時の損失は軽く数億に上る。当然ながら脆弱な当社にそんな
大金を支払える余力は全くない。
只でさえ、他のプロジェクトの火消し作業に追われていた私は事の大きさに
気付かされ、自らが指揮を取る必要があることを痛感し、
プロジェクトマネージャーとして社長業そっち抜けでブロジェくト完遂に向けて尽力する。
忘れもしない、2007年11月の出来事である。

他のプロジェクトも勿論であったがこのプロジェクトの状況は
悲惨を極めたものであった。毎日担当メンバーが徹夜を続けても
一向に終わりは見えず、疲労感が事務所内にただより、
この先一体どんな結末を迎えるのかだれもが不安と疲労の毎日を続けていた。

他プロジェクトを担当していた全社員の協力を仰ぎ、何とかこのプロジェクト
のカットオーバーを終える。

無事に事なきを得るのも束の間、火を吹いていたのはこのプロジェクトに
限らず、お客様のお叱りを受ける毎日が続き、社員の疲労と不満もピークに達する。
何よりも深刻だったのが、プロジェクトの出戻り作業による各種販売管理費の
急激な増加による財務体質の急激な悪化が追い打ちを掛けて経営者の
私に容赦なく襲いかかる。

この時ばかりは私もどうしようもないと思った。売上が2億足らずの会社で
月間の販売管理費が軽く2000万を超える状況である。立ちゆかくなる状況が
容易に想像しうる中、全責任は私にあると思った私はなりふり構わず行動に
移さざるを得なかった。

忘れもしない。2008年正月を明けた全社会議にて、私がメンバー全員を集めて本音で語りかけた。

『今の当社の状況はご存知の通り大変深刻です。この先良くなっていく
見込みは極めて薄いが、私にはこの会社を立て直す責任があります。
今後は全てのプロジェクトに関して、私が責任を持って管理していきます。
この為、今よりももっと厳しい要望を皆さんに突き詰めるかもしれません。
嫌になった人は先に手を挙げてもらって道を考えてもらって問題ありません。
私に手伝えることは可能な限り手伝おうと思います。』

経営者として恥ずべき発言だったと思うが、この時の私にはこれ以上の言葉は
見つからなかった。これによって離れていった社員も多数いる。賢明であれば
あるほどあの状況でバズーに居続ける理由は無かったと思う。しかしながら
何名かはこの状況を踏まえてもらった上でバズーに残って頑張ってもられると言う
メッセージを貰った。この時ほど私は「絶対にこの社員たちだけは幸せにしてやろう」
と強く思ったことはない。

この時期を経験し、今でも残ってくれている社員はわずか3名。
大分少なくなったものの、私はこの3名だけにはいつまでも頭が上がらない。
特にリーダーの石渡はこの時期から責任あるプロジェクトを担当してもらっており
社内リソースが全く借りられない状況で、見事に納品実績を作り上げてくれた。
彼の功績が今のバズーを支えてくれている部分は非常に大きい。

思えばこの状況に至ったのは全て私の未熟さと未経験によるものが
大半であったと思っている。複数の先輩方と始めたビジネスではあったが
自分を押し殺してでも調和を大事にした自分が今となっては間違っていたと思う。
経営の全責任はやはり役員というよりは代表に責任がある。

もっと自分の感性や信念を貫き、社員や株主、お客様全員を幸せに
出来る状態にしていかなければ行けない。もう一度経営者としての
原点に戻ってやり直そうと考え、事業体席の最適化を淡々と進めていくことになる。

事業体制の最適化は簡単には進まなかった。この時の私は役員報酬カットは
勿論のこと、昼飯すら買うのを憚れる経済状況ではあった。しかしながら
迷惑を掛けたこの時期に頑張ってくれた社員のことを考えるとそんな苦労は
小さなものだったと言えるであろう。

毎日を社員面談と顧客対応に費やし、当社の現状を赤裸々にお話しさせて頂き、
お咎めを受けることも多々あったが、一定の理解を示して頂く方もいて頂いた事が
私の決意を貫かせる。

報酬カット・人件費カット・事務所の縮小移転・その他あらゆる経費カットetc
失うことも多々あったが、約半年間掛けて、事業体制の最適化を実現し、
財務体制もほぼゼロベースに戻すことに成功する。

新しく加入するメンバーも徐々に増え始め、特にこの採用受入れ時には
過去の失敗を踏まえ、十分に私の想いやビジョンに共感して入ってくれた
優秀なメンバーだったと言える。

さて、これからが私の勝負である。2008年7月の株主総会にて
事業体制の最適化が完了する報告とともに、バズーの再スタートがこの時期から
始まっていく。

Episode1生い立ち

Episode2事業拡大に伴う成長期

Episode3事業体制の最適化と原点回帰

Episode4再構築と新規ビジネス
次回ブログに掲載予定

Episode5
今後

『熱血法人バズー』
熱血社長 森下洋次郎

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