日本のソーシャルアプリは中国で受けいられるのか?

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伸び続ける会員数、進化し続けるサービス面、加熱するファイナンス面共に加熱しつつある国内ソーシャルアプリ市場。ここでは短期間で成功を収めたSAPがここ1年だけでもかなりの数に上る。短期間での成功に満足する者もいればそれでは満たされずさらにビジネスチャンスを貪欲に追いかける経営者も少なくないことであろう。

そんな中で、携帯電話利用者8億人、インターネット利用者4億人、2009年から3G端末普及が始まったばかりの中国市場に参入を考える企業も多いのではなかろうか?この流れは総務省がゲームや音楽など携帯電話向けコンテンツ事業の中国進出を支援する体制を整えると発表したことにも後押しされ、加熱しつつある。

そこで、日本で成功したソーシャルアプリは中国で進出して本当に受けいられるのか?という視点で実体験に基づき検証したいと思う。中国の携帯コンテンツを検討するに当たり、必要な基礎知識を箇条書きに纏める事にする。

【キャリア】
キャリアは3キャリア(チャイナモバイル、チャイナテレコム、チャイナユニコム)体制。全て国営企業によって運営されている。日本の場合は、これにCPが紐づき、キャリア課金を使う形になるが、中国の場合は、CPとSPに分かれているケースが多い。

【課金】
キャリア課金が全体の70%と主流。しかし不正利用が多く、キャリア手数料も50%近く取られてしまう為、プリペイド決済をメインの課金ツールに移行するCPが多い。つまり日本でウェブマネーなどを始めとするプリペイド決済が流行ったケースは1つの、中国進出成功にあたってのロールモデルとも言えるであろう。

【IDC(サーバ)】
中国でサイト運営を行うには、回線上の問題から現地のIDC(サーバ)契約が必須である。現地のiDCは3キャリアのいずれかの企業によって運営される国営傘下によるものだ。日系企業がアプローチするには日本語が通じず、取引も人民元によるものが主流の為、事情通の通訳が必須となる。サーバーの冗長化は国内クラウド企業と大差なく対応出来る企業が多い。

【カスタマーサポート】
市場が成熟してないことも有り、日本のソーシャルアプリに比べるとかなり緩いカスタマーサポートで問題ないと言える。そもそもがルールの無い街であることから日本のように24時間以内に全部対応等は必須では無い。コストが合えば対応した方が良いというレベルで良いと思われる。

【端末】
2009年1月に政府が第三世代携帯ライセンスを正式に交付。以来現在推定で1億人が3G端末ユーザーとなっている。Flash対応がされない為、全て静止画にて対応。ここでもリッチコンテンツを得意とする日系企業は差別化を出しづらいところが難点である。

【パケ放題】
パケ放題の概念が無い為、画像リンクがテキストリンクが主流。リッチコンテンツを得意とする日系企業は差別化を出しづらいところが難点である。また、日本のように階層順に遷移するパターンだとパケ代がかかりすぎる為、トップから全ページに遷移するサイト構成が多い。(しかしながらこれだと論理的に分かりづらい為、是正される可能性は高いと個人的には考えている)

【モバイルの活用方法】
日本のモバイルインターネットの使い方は、ブラウザでアクセスしてからアプリなどをダウンロードするという形が主流だが、中国では課金のプラットフォームとしてショートメッセージ(SMS)を使うことが依然として主流。スマートフォンの普及によって、アプリダウンロードの文化は徐々に普及しつつあるが、日本の成熟度と比べると依然と差は大きいと言える。

【ユーザー志向】
中国は10年前~20年前の日本と同様の環境にある。人々は野心に充ち溢れている傾向にある為、日本のような恋愛系コンテンツというよりはむしろ格闘系、シュミレーション系等のコンテンツの方が受け入れられやすいであろう。また、日本コンテンツをローカライズする際には、ニュアンス以上に分かりやすさを訴求することも重要と言える。

こういった背景から、日系企業で成功したソーシャルアプリが直ぐに中国でも成功するかと言うと、環境的にはなかなか難しいことが考えられる。現地向けのローカライズ作業(企画の見直し、翻訳作業)や運営サポート等はやってみないと分からないことが多く、課金文化が根付かない状況では固定費は垂れ流しに成る可能性が高い為、計画時に事前に損失予測を立てておく必要がある。

真に中国でのソーシャルアプリを成功させるには、まず事業計画をアプリの本数毎で国内外問わず運営コストを1つの固定費とみなして計上することである。ソーシャルアプリのグローバル展開は1つのタイトルを国内、国外で比較検討しながら、マーケティングすることに意義があると言える。海外単体で採算を考えることはソーシャルアプリ海外進出の真の意味合いを履き違えてしまってると言って過言ではない。

日系企業が考えなければならないことは、中国進出は最低限の運営コストを確保しながら、日本でマネタイズを実現支えることである。日本のマネタイズの継続無しに、海外展開は続けられないからである。

当社はこの分野において先行してビジネスを進めているが、後発に続く方がいらっしゃればおしみなく協力したいと思う。
日本と言う狭い世界で小さなことを言うつもりは全くない。海を渡った強敵達と如何に戦うか、共に闘う仲間は随時募集している。


~モバイルでNo1のグローバル企業へ~
バズー株式会社
熱血社長 森下洋次郎

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