2011年7月アーカイブ

青い鳥症候群

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当社には「やりたいを仕事に、出来るを仕事にする」というビジョンがあり、これを気に入って門を叩いてくれる応募者がお陰さまでかなり増えてきた。大変ありがたい話ではあるものの、面接や社員教育を通じて「やりたいを仕事に」の方ばかり見てる人が多いことに気づく。もうひとつの「出来るを仕事に」というのは自分の専門の分野を明確に見出し、そこでプロとして付加価値を生み出すこと(=平たく言うと稼げるようになるということ)である。そこをすっ飛ばしてやりたいことだけを出来ると考えてしまうことはあまりにも浅はかだし、自分のことしか考えない都合のいい人の解釈と言える。

こういった考えの若者が増えた理由としては社会的背景もある。現代における職業選択の動機の多くが「好きな事をしたい」「自分のやりたいことをしたい」という傾向になりつつある。社会的にも学校でもこうした志向を後押しする風潮がある。

はっきり言おう。何も知らないうちからそんなこと出来る訳も無く、ましてや企業に置いて付加価値を発揮しない状態で「やりたいこと」何ぞ許容できる会社なんぞあるわけが無い。あったら逆に怪しんだ方が適切である。

私は教育の基本は「丁稚奉公(※)」だと考えている。※意味:商店などに丁稚として奉公すること。転じて、年少のうちから下働きとして勤めはじめること。

そんなことを言うと、「そんな考えはとんでもない」、「待遇を良くして褒めて育てろ」「叱ってはいけない」という意見を振りかざす人がいる。「長所を見出しながら育てる」考え方には私も賛同であるが、それはあくまで「厳しさがあることが大前提」である。厳しさの無い「甘えの構造」下で、自分の力で稼げる人間など育つわけがない。こういった環境で育ってきたパターンの若者は往往として「あっちの水が甘いんじゃないか?」「いやこっちの水の方がいいんじゃないか」とさまようものだから芯が無い。自分の行くべき道を探す・自分の強みを探す重要さを教わること無しに「好きな事をしなさい」と育てられてきたものだから当然ながら社会的付加価値も低いと言わざるを得ない。

会社に入りたてのものは新卒・中途問わず最初の頃は多くの者が即戦力になることが難しい。特に新入社員においては全くの素人にすぎず、社会的赤ん坊のようなものである。だから言われたことや指示されたことを愚直にやり続けるしかないわけである。「今日出来なくても明日やる」この姿勢の継続がどこかのタイミングで光となりブレークスルーに繋がるというものである。

我が社でよく言う「壁を乗り越える」というのはまさにこの連続の工程のことを指している。これはとても苦しいし大きなエネルギーを必要とする。皆生身の人間なものだから、要らぬ欲も出るし、ともすれば「なぜ、こんな苦労をする必要があるのか?」と考えてしまうのだし、皆基本は弱い生き物から「もっと楽して儲けられる道があるんじゃないか?」と考えてしまう。そんな中で上司や取引先から耳の痛い話を聞いた瞬間に会社を辞めてしまったりするのである。言わば存在するはずもない青い鳥を求めてふらふらしてしまう「青い鳥症候群」と言えよう。丁稚奉公の人間なら「ありがたい、自分のことを考えてくれるんだな」という思考回路が働くが、そうでない人は自分の逃げ道を見つけ、正当化し、楽しようとしてしまう。これは我が社経営理念にある「生きる力を身につける」考え方とは程遠い。

はっきり言おう。社会に出て「青い鳥」など存在しないと考えた方が良い。

あるはずもないそんなモノを求めてさまようぐらいなら、自己研磨に勤しみ、今の与えられた環境で明確な結果を追い求めることに専念した方が良い。そういった蓄積があって始めて「やりたいことが見えてくる」のだから。

このブログを見る読者の皆様はそうであってほしくは無いが、甘えた構造に慣れきった若者は実に多い。これをきっかけに真の強さを身につけるきっかけになってもらえればと切に願う。

~日本発世界へ 挑戦と冒険に挑むベンチャー企業~
バズー株式会社
代表取締役 森下洋次郎