2015年7月アーカイブ

昨日38歳の誕生日を迎えました。

「アラフォーかー」と浸りたい所ですが、
実は今年に入ってから、息つく暇無く仕事しておりました。

本業の事業体制の最適化プラン遂行に集中していたからです。


会社の異変に気づいたのが2014年12月。

複数プロジェクトを抱えて忙しそうにする現場メンバーを
横目に数値を確認してみると、
数ヶ月後には月次で500万の赤字体質になることが判明。

責任者に問いただすも、
赤字に対する明確なリカバリプランは持っておらず、
大幅な事業最適化プランを実施するに至りました。


【実施したプラン】
・各プロジェクトの見直しと清算
・役員報酬及び従業員給与のカット
・オフィスの清算
・海外子会社の清算
・その他販売管理費の大幅削減


事業最適化は創業以来私の経営者人生で2度目の経験です。

過去ブログ「バズーヒストリー Episode3 事業体制の最適化と原点回帰」参照

「過去の失敗で何を学んだんだ?」
というお叱りの声も聞こえてきそうですが、
事実は事実。受け入れるしかありません。

文章にすると淡白になりますが、
実際には1つ1つがシビアなコトだらけで
非情な判断も沢山ありましたが、全てのプランは既に完了し、
事業自体も順調に推移している状況です。

先日立命館で事務員の方々と近況報告をしていると
「森下さんの経験を講演会で話してもらえませんか?」
という予想外のオファーを頂きました。

大学の講演ではサクセスストーリーが語られることが多く、
学生も食傷気味どころか懐疑的でさえある為、
もっとリアルで生々しい体験談を話して欲しいとのことだそうです。

事業最適化は起業家にとって言葉にしたくない側面が多分にありますが、
自分の経験が誰かの何かの役に立てればと思い、
まずはブログに纏めることにしました。


【事業最適化を通じて学んだ4つのこと】


①答えはいつも現場にあること

全てのプロジェクト清算を自ら指揮したことで、
お客様おひとりおひとりと対話する機会を設けることが
出来たことは私にとって貴重な経験となりました。

改めてお客様の思い、サービスを提供することに対する重責を
肌で感じることが出来たからです。

驚いたことにそれらの多くが社内で受けてた報告とは異なることが多く、
従業員の報告以上にお客様の声をもっと重視すべきだったとさえ思えました。

数年ぶりのプロジェクトマネジメントでしたが
自分の感覚はさほど鈍っておらず、
提案や改善プランを出せる歓びや
お客様を満足させたときの肌身で感じれる実感を通じて
「やっぱり仕事ってオモシロい!」と強い意義を感じることが出来ました。

弊社を離れた従業員達は思う所も多々あるでしょうが、
こういった現場で感じられる歓びや醍醐味を
背中で見せてあげられなかったこと
が私の1つの後悔でもあります。

経営をしていると現場に出なくなりがちですが、
現場にこそ経営における重要なヒントが隠されてることを
再認識することができました。

②経営者意識なんてそもそも芽生えるわけがない

弊社の場合「ガラス張り経営」と「自社株購入制度」により
従業員にリスクをとってもらい、
オーナー化することで経営者意識の醸成を試みてみましたが、
実際は自ら買いたいと申し出た者はたった1名。

自分で制度を作った手前、口説きに口説いてかろうじて
数名の社員が購入してもらいましたが、
退職時に買い取りオプションをつけるなど
実質はほぼリスクの無い条件を付けた始末。

自ら購入したいと申し出た者は独立起業を果たし、
実質は名ばかりの制度となってしまいました。

経営者は従業員に同じ当事者意識を求めがちですが、
「背負ってない人に背負ってる人の気持ちは分からない」
ということを肝に命じるべきでしょう。

経営者と従業員の関係は、
ある意味で顧客と企業と同じぐらい異なることを前提にして
共存方法を考えるべき事項
なのです。

③違和感は一切の妥協なく紡ぎとるべし

経営をしていると違和感を感じることは少なからずあると思います。

私の場合、現場を部下に任せて以来、
「会社独自の空気」や「社員独自の雰囲気」対して違和感を
感じることが振り返れば多々ありましたが、
その都度「個性が大事」「やり方を尊重しよう」などとうつつを抜かして、
放置していた経緯がありました。

しかしながら今振り返るとこれは大きな間違いで、
「空気」や「雰囲気」といった形のないものこそ
一歩間違えれば会社の致命傷になりかねません。

経営者はこれらに僅かでも違和感を感じたら
一切の妥協なく切り込むべきでしょう。

例えそれが誰かの尊厳に傷つけるものであったとしても。
会社の致命傷の未然防止を優先することが経営者の仕事です。

④「既存ビジネス」と「新規ビジネス」に両立に要注意

ベンチャー経営をしていると「新規ビジネス立ち上げこそ命」
的な風土に陥りがちですがこれこそ要注意。

これらは「右脳」と「左脳」に近い要素があるため、
社内で両立させてしまうと誰しもが「右脳」の動きに
羨望の眼差しを向けがちです。

資本力の無い会社がこれをやってしまうと
「既存ビジネス」がおろそかになり、
あっという間に会社は簡単に潰れてしまいます。

本来は「既存ビジネス」のカイゼンの中に、
「右脳と左脳の両立」を目指すべきで、
体脂肪に例えるならば5%以下ぐらいの肌感覚で
業務推進を行い続けることがポイントです。

そもそも「既存ビジネス」から「新規ビジネス」を立ち上げて
成功した会社は5%も無いのではないでしょうか。

素晴らしい「新規ビジネス」のアイデアが芽生えたら
それは新会社でやるべきで、小さな会社内で
この両立があり得るという考え方自体をそもそも捨ててしまった方が良いでしょう。

今回の経験では沢山の代償もありましたが、大切なことにも沢山気づかされました。

38歳は人生の後半戦。

今回得た気づきをバネに沢山のアウトプットを出せるようにまた今日からも頑張っていきたいと思います。


バズー株式会社 
代表取締役 
森下 洋次郎